都議選2025 千代田区から見えたこと
- 香織 浜森
- 6月29日
- 読了時間: 4分
都議選から1週間が経ちましたので、改めて振り返ってみたいと思います。
千代田区の投票率48.86%と、前回44.19%から4.67%高くなりました。結果については、半分驚き、半分想定通りとなりました。
当初は、現職・都民ファーストの平さんと、元区議・自民党の林さんの一騎打ちと思われました。
4月頃から街中にはお二人のポスターがあちこちに貼られており、その数で見るときっ抗していたのです。
しかし、都議選が公示されると、佐藤さんが出馬を表明。そこで一気に情勢が変わりました。私たちは区長選を通じて佐藤さんの勢いをよくわかっていたため、2位あるいは1位になる可能性もあるとみていました。
佐藤さんは元NHK党で、現在は減税党を立ち上げて党首を務めています。YouTube登録者は約38万人にのぼり、発信力の強さと「減税」というわかりやすい政策テーマ、また平さんは小池都政に賛成するだけという批判が一定層に支持されたと見られます。前回の区長選で名前を書いた有権者が、今回も投票した可能性もあります。
減税を主要政策とされている佐藤さんは、衆院選、区長選に続く挑戦で都議選に臨み、平さんとの接戦を制して初当選となりました。国政へのステップとして捉えていたことも考えられますが、まずは都議会での活躍が期待されます。
千代田区は元々自民党の強いエリアです。小池さんが都知事になった時にターゲットとした都議会のドン=内田茂さんの地盤でもありました。しかし、小池さんが知事になってからは、前区長=石川さんは都ファの応援を受け、現区長=樋口さんに引き継いでおり、定数1の首長・都議を都ファが独占しておりました。
今回、平さんは3期目(千代田区では2期目)。地域での会合には必ず参加していましたし、首長が都ファ樋口さんであり、小池さんも何度も応援に来ていたので、これまでの選挙であれば当選するはずでした。一番驚いたのは、区長を支持する都ファ応援団の皆さんではないでしょうか。
自民党も紆余曲折ありました。内田茂さんが亡くなった後、秘書のように動いていた元区議は官製談合事件で逮捕されました。千代田区議会では、林さんが所属していた自由民主党会派と、逮捕された元区議が所属していた自由民主党議員団の会派とで分かれています。
千代田区議会|会派紹介
同じ党で会派が分かれているというのは、実は別の政党よりも遠い存在であったりします。
今回、林さんは自民党から公認で選ばれたのですが、その際に選ばれなかった内田直之さん(内田茂さんの娘婿)が無所属で出馬してしまいました。内田直之さんは、自由民主党議員団会派が元々応援していたことから、折り合いがつかなかったのでしょうか。
元々、支持層は異なっていたものの、元自民党の候補を出してしまったことは、林さんにはマイナスだった可能性があります。林さんは、与謝野馨衆院議員の秘書を経て、2003年から千代田区議会議員を6期務め、豊富な実績と知名度から有力候補と見られていましたが、今回は複雑な政治情勢や自民党への逆風なども影響したのかもしれません。
補足でひとこと。千代田区は、他の区では必ず立てている立憲民主党の候補者がいないのも特徴と言えるかもしれません。前回の衆院選では海江田万里さんが山田美樹さんを破ったほど、一定の支持層があるはずなのに、不思議です。
今後は、佐藤さんが都議会でどこかの会派に入るのか、どのように減税を実現していくのか注目していきたいと思います。
政治は誰かを切り捨てるものではなく、誰もが安心してくらせる社会へとするものであってほしいと願っています。地域課題の丁寧な対話や合意形成がなされ、千代田区が、そして東京都が、更にオープンでより良い社会へと進んでいくことを願っています。
今回の結果には、驚きや戸惑い、期待や不安など、様々な思いを抱かれた方も多いのではないでしょうか。あなたは今回の選挙、どのように感じましたか?これからも皆さんと一緒に、政治のあり方を丁寧に見ていきたいと思います。よろしければコメント・メッセージお寄せください。
※詳しい開票結果はこちら
当事者からの分析は大変勉強になります。まあ日本政治は「利権」から「ポピュリズム」にシフトしつつあり、いずれにせよ滅びの道一直線という感じです。